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お水の話
お水は、体のあらゆる働きに関わる大切な存在です。
しかし、飲水量は季節や生活環境によって変化し、その変化は目に見えにくいものでもあります。
ここでは、お水の働きと管理の基本を整理しながら、ワンちゃんの飲水量について考えていきます。
もくじ
🐾お水の働きと季節の特徴
・日常の働き
・季節の特徴
・通年の管理が必要な理由
🐾水分不足を予防するための観察ポイント
・目安量の計算
・飲水のチェック^
・排泄物のチェック
・皮膚のチェック
🐾水分不足かな?と思ったら
・飲水量をあげる工夫
この順でお話します
~日常の働き~
・体温の調整(体温維持・放熱)
・血液循環の維持
・酸素・栄養素の運搬
・老廃物の排出(尿・便)
・消化吸収の補助
・唾液・胃液・消化液の生成
・腎臓機能の維持
・電解質バランスの調整
・細胞内外の浸透圧の維持
・関節の潤滑
・筋肉の収縮・弛緩の補助
・神経伝達の維持
・皮膚・被毛の保湿
・粘膜の保護
・代謝活動の維持
・ホルモン輸送の補助
・血圧の維持
・体内毒素の希釈
・免疫機能の補助
など
教科書通りに言うと、水には常にこのような大仕事があります。
~季節の特徴~
特に暑い季節や寒い季節には水の必要性が注目されますが、乾燥しやすい季節も忘れてほしくありません。
【暑い季節】
体温調節のために多くの水を必要とします。
ワンちゃんたちも自発的に水を飲み、飲水量は増える傾向があります。
【寒い季節】
体温調節に使う水分は減り、活動量も下がるため、飲水量は少なくなる傾向があります。
その結果、水分不足が起こりやすく、尿石症のリスクが高まる季節です。
また、室内環境によっては脱水や熱中症にも注意が必要です。
【乾燥の季節】
皮膚や粘膜から水分が蒸散し、気づかないうちに水分不足が生じていることがあります。
~通年の管理が必要な理由~
水分の必要量は、環境や運動量、体調によって変化します。
長年ワンちゃんと接する中で、心身のバランスにも大きく影響していると感じています。
また、1年のどこかで不足した状態が生じると、その影響は次の季節にも及びます。
不足が長く続くと、まるで体質のように水不足に気づきにくい状態になり、体のトラブルを引き起こしやすい状態へとつながることもあります。
~目安量の計算~
標準的な1日の目安量を計算できます。
【計算式】
体重(g)× 0.05〜0.07
【計算例】
体重4.2kgのワンちゃんの場合
4200g × 0.05 = 210ml(平常時)
4200g × 0.07 = 294ml(必要量が多い日)
1日の目安量は 210ml〜294ml となります。
※目安はあくまでも目安であり、絶対値ではありません。
目安の量よりも過剰に少ない日や、過剰に多い日が続く場合は注意が必要です。
また、飲み水だけでなく、食事に含まれる水分も摂取量に含まれます。
~飲水のチェック~
飲水量を把握するためには、変化に気付ける仕組み作りや、習慣が大切です。
゜【飲む水】
メモリ付きの食器を使う。
給水時に計量カップを使う。
より細かく測りたい場合は、キッチンスケールで給水時と残量を計測し、差し引きで飲水量を確認します。
【食べ物に含まれる水】
与えているドッグフードやおやつの水分含有量を、パッケージで確認します。
「与えた量 × 水分割合」で、食事からの水分摂取量をおおよそ把握できます。
毎回チェックするというより、どんな物をあげているのか理解しておくことが大事です。
~排泄物のチェック~
排泄の状態は、体内の水分バランスを知る手がかりになります。
毎日確認する習慣をつけましょう。
【尿の様子】
回数、量、色の変化を見ます。
極端に少ない、色が濃い場合は水分不足の可能性があります。
逆に回数や量が過剰に増えた場合にも、何らかの理由が考えられます。
どちらも数日続くようであれば、注意が必要です。
【便の様子】
硬さや乾燥具合を確認します。
硬い、出づらい場合は水分不足が関係していることがあります。
軟便が続く場合も、体内の水分調整がうまくいっていない可能性があります。
※元気に見えても、体内で変化が起きていることがあります。
心配なときは、早めに受診を検討しましょう。
~皮膚のチェック~
【鼻】
乾燥していないか?
【口内(粘膜)】
潤いが保たれているか?
【被毛】
ツヤがあるか、パサついていないか?「
【皮膚・フケ】
乾燥していないか、皮脂のバランスが崩れていないか?
【肉球】
硬くなりすぎていないか、ひび割れていないか?
これらの状態は、水分バランスとも関係しています。
鼻や口の乾きは、一時的な変化が現れやすい部分です。
水分補給によって比較的早く改善が見られることもあります。
一方、被毛や肉球は変化がゆっくり現れます。
短期間で判断せず、継続して様子を見ていきます。
~飲水量をあげる工夫~
【運動量を整える】
運動不足であれば、少しずつ運動量を増やします。
(体操もおすすめです。)
適度に体を動かすことで、自然に飲水量は増えます。
【食事での水分補給】
ドライフードを与えている場合は、水を加える方法があります。
私としては、ドッグフードにしっかり吸水させる方法がより良いと感じています。(フード1:水1)
スープや水分量の多いトッピングを加える方法もあります。
注意点
・体調を見ながら、徐々に水分量を増やします。
・水分が過剰になると、消化不良の原因に成り得ます。
・全体の栄養バランスを崩さないように調整します。
【水の設置場所】
水飲み場所を複数用意します。
移動せずに飲める環境は、飲水回数を増やす助けになります。(特にシニア期)
【器の見直し】
器の高さや形状を見直します。(ワンちゃんの好みに合わせます。)
※給水ホルダーのみを利用している場合は、器からも飲めるようにしておくとよいです。
【水の温度を調整する】
季節や体調によって好みは変わります。
体長や目的に合わせて、試してみるとよいでしょう。
さいごに
水分管理で大切なのは、
「目安を持つこと」と「観察を続けること」です。
元気に見えていても、体内のバランスが崩れていることもあります。
ワンちゃん自身では気づけない変化もあります。
生活全体を見ながら、ワンちゃんをサポートしましょう。



